2015年の4月、3泊4日しました。
この宿ほど賛否両論あって、評価が両極端になる宿も珍しいかも知れません。
外見は民宿どころか廃材置き場です。外見と内部については、言い出すときりがないので他の方のご説明にお譲りしたいと思います。実際常連の人が廃材を持ち寄ったりして、ベンチを作っているともうかがいました。
母屋の裏手にある洗濯物干し場は正直田舎の農家の物置かそれ以下、という雰囲気ですね。
実際に見れば納得できると思います。風呂も男女共用。
引き戸の札によって今入浴中なのか、男性が入っているのか女性なのかを示します。
この宿の大きな長所はゆんたくと食事の量でしょうね。
朝は食堂で、夜は母屋の前のテーブルで取りますが、私を含めて完食した方は皆無です。そして気が向けば、オーナーのおじさんが先導して宿泊客の方々といっしょに歌を歌わせる、というショーが始まります。
飾り付けも全部手製。
私が訪れた時は『手袋の歌』を歌わされました。
「かーさんがー夜なべーをしてー」
というアレです。
なんでこんな南の島であんな寒いところの歌を歌うのか、今でも謎です。
でもそういうおじさん自身、一見ぶっきらぼう風だけどすごく面倒見のよい方です。
高速船の発着所からは送迎を必ずおじさんがバンに乗せてくれますし、私がこの宿を離れる時には、高速船の出発直前でうっかり私がジャケットを宿に置き忘れてしまったことを告げると、全速力で「たましろ」にとって返し、ジャケットを取ってきてくれました。そういう『奥の深い』宿なので、旅人の方々と交流してみたい方、もしくはそういう世話を経験したい方にとっては「外見より中身」という考え方をおすすめしてみたいですね。常連の方達も中高年の男性の方々を中心に大きく輪が出来ているようで、その一人からうかがいましたが、旅を終えて自宅に帰った後でも「たましろ」常連客の方達が言い寄ってサークルみたいになり、飲み会開いているようです。常連の方達には毎年連泊している方がたいていで、中には別棟に自分のシュノーケルなどを置いたままにしていたり、正月に来てみたり、あるいはテーブルと介すなどを自発的に改修してくれるような、日曜大工さながらの方もいるとか。その中に二人の「Oさん」という常連の方がいて、一番印象深かったのはそのうちの一人の方が私たちが波照間を離島の際、見送り用テープを宿のトイレットペーパーでこしらえてくれました。
高速船で島を離れる際に女性の方々とその「テープ」で堤防に居並ぶ「たましろ」の宿泊客の方々と“涙の別れ”となっています。私自身はテープを持たず、先述の通りジャケットをおじさんにとってもらってくるのを桟橋で待っていた身分でした。
出向間際、高速船の入り口に鎖がかけられたのを下からくぐり、係員に切符を渡してギリギリセーフ。トイレットペーパーによる“感動の”見送り、そして高速船に駆け込む私を指してなぜか「先生、先生早く!」と呼びかけてくれた「たましろ」同宿の女性の方達。
何だか昭和時代のユースホステルみたいでした。
波照間行ったらまたたぶん泊まりますどうぞよろしくお願いします。
一生旅人 さんからの口コミ(2016/09/26-09:30)